ポジティブシンキングLife

花はなぜ咲くのかを考えてみる

■お金持ちの不幸

お金が欲しいとみんな言います。お金が欲しくない人はいないので、みんなお金が欲しいと言います。では、いくら欲しいのか?また、いくらお金を稼いで、どういう暮らしをしたいのか、考えたことはありますか?イメージしたことはありますか? たとえば毎月100万円のお金が手元に入ってくるようになったとします。

100万円のうち、だいたい3割くらいが家賃に消えます。食費は10万円くらい使えます。外食に行ったり遊びに行ったりなどのレジャー費も10万円くらい使えます。お洋服にも10万円使うとします。全部で60万円は消えてなくなります。残った40万円で光熱費を支払ったり、生命保険を支払ったりしていけば、手元に残るお金は10万円か20万円になります。100万円を毎月稼ごうと思えばそれなりのお付き合いも生まれてきますので、交際費が多く出ていけば手元に残るお金はもっと少なくなります。

毎月20万円しか稼げないことを悩んでいる人からすれば、100万円の暮らしは憧れでとてもいいことのように思いますが、100万円を稼ぐ人には100万円分の不平不満があります。人が生活をしていく以上、義理も人情も果てしなくついてくるので、20万円の暮らしも100万円の暮らしもおなじと言えばおなじなのです。100万円の暮らしが出来たから、毎日笑顔でハッピーに暮らせるというのは、想像力のものすごい欠如です。 と考えた時に、お金だけが欲しいわけではないのがわかります。お金「も」欲しいけれど、お金以外のなにかも欲しい。お金以外のなにかとは、自分が生涯を通して、掛け値なしに熱心に取り組めるなにかでしょう。

その「なにか」が花の種です

■掛け値なしに熱心に取り組めることが仕事であれ趣味であれ、

そういうものを持っている人は、自分なりの幸せの定義を持っている人です。世間がどう言おうと、私だけのささやかな幸せを自分でつくりだし、その幸せをつくる過程を楽しんでいます。楽しんでいる人のまわりには人が集まってきます。笑顔があつまってきます。笑顔はさらに人を呼んできます。人が人を呼んで、幸せが倍々ゲームになって、熱心にやっていることでブレイクします。つまりお金以外にあなたが欲しいと思っているものこそが、人生の花を咲かせる種なのです。

若いから種をいっぱい持っているということでもありません。もう30歳を超えたから、私は種を持てないということでもありません。若い時の方が種を持ちづらいのではないかと思います。若い人ほど種を種と思えないのです。お金に目が行きますからね。パッと目に華やかなものに気が行きますからね。見えているようで見えていないのです。20代の後半くらいから30代にかけてが、種ってどれだろう…というのが一番見えてきやすいというのは、そういう理由があります。見た目に惑わされない。白馬の王子様などいなくて、人生所詮は自分の能力によって左右される。そういう現実が見えているのです。

種は理由を見つけたら大きく育つ

■種が見つかったら、これを毎日大事に大事に育てましょう。

育てるポイントは「自分の中に理由を見つける」ことです。好きなことをしていようと、あまり気が乗らない仕事をしていようと、人はあらゆる活動の中で人と交わり、人の影響を受けます。つまり、自分の思ったようにならないことがたくさん出てきます。思い通りにならない理不尽なことの連続が人生です。理不尽なことが起こった時、相手に対して腹を立てます。温厚な性格の人でも、腹は立ちます。でもそこで怒らない。感情をあまり表に出さないことが大切です。

処世術を言っているのではありません。理不尽な出来事のなかに「自分」が関わっている以上、あなたがどうにかすればその理不尽な出来事を回避できた可能性だってなくはないということです。 相手を怒ることは簡単です。でも、自分のなかにトラブルの原因を見つけ出して、自分自身が人格的にもっと大人になっていくしか、トラブルの回避の術はないのです。自分と未来は変えられますが、他人と自分の過去は変えようがないのです。 自分のなかに理由をみつける。理由を見つけるために自己内省した労力が、花を咲かせるための肥料となります。肥料の質が良ければ良いほど、美しい花が咲きます。

景気が悪いせいもあってか、人を騙すような商売がすごく増えています。人の良い人はそれで非常に理不尽な思いをたくさんすると思います。理不尽な出来事は人から正気を奪います。「なぜ、私がこんな目にあわなくっちゃいけないんだろう」そう思って、生きている自分を憎らしく思う。それで当たり前です。でも、そこを時間がかかってもいいから乗り越えるしか、より良く生きていく方法はありません。いつまでも人を憎んで自分を憎んでいても、時だけが過ぎていくだけです。自分のなかに理由を見つけるという行為は、大きなストレスを生むこともあります。しかし、理由が見つかった時、あなたは必ず大きく成長しています。しんどくても自分のなかに理由を見つけて、美しい花を咲かせてください。種は花咲くために存在しているのですから。