ポジティブシンキングLife

女性版・肉体労働のススメ

■駅チカでいいんだけど

女性はヒールの高い靴を履くこともあってか、とにかく駅チカですべてを済ませようとする傾向があります。住む場所を探す時も駅チカの物件を探します。駅から多少離れたほうが閑静でいいのではないかと思っても、駅チカを探します。地下鉄の出口の真上に建っているマンションであっても、すぐに女性だけで満室になると言います。

職場だって駅チカを好みます。そういう女性の傾向があるから駅から遠いお店で女性のアルバイトを募集するのは、募集をかける側からするとかなり不利になります。まず若い女性の応募がありません。 買い物だって駅チカです。最近はJRが熱心に駅ビルを開発していて、駅ビルに入っているお店に行くと、男性はほぼ用事がありません。ほとんどすべてが女性向けのお店です。洋服屋とか雑貨やとかネイルサロンとか、そういう女性のニーズを満たすショップばかりです。結局、歩きたくないという女性の心理がそこにはあります。

ヒールの高い靴を履いているから歩きたくないというのはわかります。でも歩かないといつ体を動かすんですか?と思います。なにも太ることを心配しているのではありません。

感じないとわからないこと

■人は体を動かして汗をかいて筋肉のほどよい痛みを味わわないと

本当の意味で情報が吸収できないようになっています。そう思わないのはテレビやインターネットが発達しているからです。みんなが水泳に関する本を読んで、水泳をした気分になっています。飛行機を乗り継いで、しんどい思いをしながら最果ての地の世界遺産を見に行かなくても、テレビでいくらでも世界遺産を見ることができます。しかも空撮というベストポジションから見ることができます。恋愛だってリアルに恋愛をしなくてもネットの世界で、誰かとお話をしたら、お話をしたような気分になります。それも面倒だと思えば、トレンディードラマを観たら恋愛した気分になります。ドラマを見て、私も恋愛したいなあと思うこともあるでしょうが、本気でそう思っていないと見えてドラマを見るという疑似恋愛で満足します。

世界遺産に行けばわかりますが、行ってさほど感動するということもありません。先にテレビで見てしまっているからという理由もありますが、世界遺産の全体像が大きすぎて、テレビで見るほど俯瞰で見られないという理由もあります。大きな岩を積み上げて造られた崩れかけの神殿のディテールを見るしかない。でもそこまで時間と体力をかけて行って、ものを見れば、なにかを感じます。それが悠久の時の流れであれ、所詮世界遺産と言えど、大したことないという感想であれ、なにかを感じ、自分の肌や血の中にその思いが刻み込まれます。本当はそこまでして、はじめて「わかった」と言えます。実際、ほとんどわかっていないんですよ。テレビで空撮を見た方が「わかる」んです。でも、行けば行ったで「わかる」んですね。汗をかいてその現場に行った人でないとわからない「なにか」があるんですね。

20歳も過ぎたけど、今一歩、自分に自信がない

■つまり私たちはなんでも知っている「つもり」で生きています。

それはそれでいいんだと思うのです。知らないより知っていた方がいい。世界にはこんなに神秘的な遺産があるんだ…とか、こんなドキドキする恋愛があるんだ…とか、そういうことを知っていた方が、自分自身の可能性が広がります。 でも、実際に体を動かして汗をかいて手に入れた情報は、自由自在に使えますが、見て知ったことは「知っている」だけのことで使えません。 人はそんなに賢くないので経験しないことは自分の血となり肉となって自分自身を高める栄養分にならないんですね。つまり経験すること自体がすばらしいことなのです。

30歳も過ぎればテレビのタレントにあこがれることはなくなりますが、唯一いいなあと思うのはテレビ局のお金で世界各地に行けることです。仕事ですから…と言われたらそれまでですが、仕事であっても、お金をもらいながらいろんな経験ができるところに彼らの仕事のすばらしさはあります。 男性であっても女性であっても、肉体労働を薦めたいのはそういうことです。女性の肉体労働と言えば、なんでしょうね?家事とか、飲食店のキッチンとかホールとか、介護とかですかね?家事をしない男性の多くは女性の家事の大変さを理解しないように、みんないろいろ体を使うからこそ主張できる意見が出てきます。それがその人の人格のコアになります。

20歳も過ぎたけど、今一歩、自分に自信がない。 そう思う人は、是非、体を使う仕事をしてみてください。インターネットで稼ごうとか、オシャレなデスクワークで稼ごうとか、いろいろ思うところはあると思いますが、体を使わないと、ふわふわした考えになります。ありもしない夢を見続ける人格になります。私たちは肌を切ればあたたかい血が流れる生身の人間です。人間臭い仕事をしていけば、その先に心温まる幸せが待っています。待っていないかもしれませんが、少なくともつまらない考えの人に騙されにくくなります。